ゆがみ取りSPAT開発物語

私、鹿島田忠史がゆがみ取りSPATを初めて着想したのは、2000年頃でした。
誠快醫院を開業して10年近く経ち、ようやく経営も軌道に乗り、1982年頃から治療の柱としていた操体法の適応となる難治性の慢性整形外科疾患の人も増えてきました。
こうした患者さんにみずから操体法の施術をしていたのですが、2つほど疑問点を感じ始めました。
一つ目は、操体法の治療効果が数時間から1日程度しか持続しないことと、二つ目は操体法の理論的な説明ができないことです。

最初の疑問点、なぜ効果が持続しないのか、を考えてみました。
そして気づいたのは、操体法は筋緊張を緩めることに主体があり、骨格のゆがみ取りを行っていないことです。
骨格のゆがみが存在すると、周辺の脈管(動静脈・リンパ管)や神経が圧迫を受け、循環や伝達が悪くなります。
筋緊張を減らすと、その瞬間はうっ血が取れて循環が改善しますが、骨格のゆがみがあれば根本的な原因が残るので、すぐに症状が再燃します。
そこで、医学部入学前にカイロプラクティック系の専門学校で修得したゆがみ取り施術を思い出し、操体法に付け加えたのです。
いろいろな疾患の人に試してみると、操体法のみより効果の持続時間が長くなり手応えを得られるではありませんか。
臨床をしていて、患者さんがどんどんよくなってくれるを目の当たりにすると、本当に嬉しくやりがいを感じられるものです。

二つ目の疑問点、操体法の理論的説明については、別ページ「理論的裏付」をご覧下さい。

2002年初め頃に、講習会の取材で縁のできた医道の日本社からお誘いがあり、2002年7月より5回連載記事を投稿しました。
お陰様で読者の好評いただき、翌2003年には「5分でできる骨盤矯正法SPAT」ビデオを発刊できました。
そしてビデオだけでなく、理論や手技解説の書籍も必要性を感じ、2006年に「SPAT超短時間骨盤矯正法」を発刊したのです。
翌々年の2008年には「SPAT−頸椎・胸椎編−」ビデオが発刊され、一応SPATの施術対象部位である骨盤、胸椎、頸椎の参考資料が揃いました。

その後14年が経過し、この間、日常診療や講習会の積み重ねでゆがみ取りSPATも多くの改良が加わりました。
技術的な面だけでなく、ゆがみ取りSPATの3要素である、動診、操体法、骨格矯正についても、生理学・解剖学に基づいてその理論的な根拠を確立しました。


私の体力・気力があるうちに、ゆがみ取りSPATのしっかりとした記録を残したいと思ってはいたのですが、2018年10月に大腸がんの手術を受け、いよいよ切羽詰まった状況に追い込まれてしまいました。
そうしたところに、たまたま宮城県の稻田稔先生の紹介で記事を投稿したウエッブマガジン『あはきワールド』の石井利久編集長兼社長から、「SPATの本を出しませんか」との提案がありました。
渡りに船の大変ありがたい提案で即座にお引き受けし、書籍とビデオ台本の執筆に取りかかりました。
石井編集長やビデオ撮影に協力してもらった石川明人・長松剛先生の叱咤激励に押され、2021年4月にようやく上下巻を完成・発刊することができました。

これからも、体力の続く限り全国の治療家へのゆがみ取りSPATの改良と普及を図り、少しでも患者さんの健康増進に寄与したいと念じています。